ニューヨークでのこと

といっても、もう30年以上前に初めて行ったアメリカでのこと。その頃はカメラがデジタルになるなんて思いもよらない時代で、35ミリカメラだけでなく4×5カメラと重たい三脚を持って行きました。今であれば仕事でもない海外旅行でデジタルカメラも画質が良くなっているので、ミラーレスカメラとズームレンズ一本にして、その分初めての海外を楽しむことを優先するでしょう。
初めてのアメリカに行くことになったのは、写真評論家の重森弘淹さんが引率する美術館巡りツアーに誘われたからでした。でも結局ツアーを通して重森さんが引率することはなく、ほぼ全ての日程がフリータイムでした。そんな中でも、写真関連の参加者が多いなかで写真学校の先生をしている方が連れて行ってくれた写真家のスタジオは参考になりました。
旅の行程はロスに一泊したあとはニューヨークに5泊で、英語がほとんど出来ないので1人で行動するのはなかなか大変でしたが、ある日マンハッタンの中心で写真を撮ろうとエンパイアステートビルに三脚と4×5をかかえて入ると、警備に呼び止められ別室で何かにサインさせられました。担当者がペンを取り出すため机の引き出しを開けると無造作に拳銃が入れてあったのにはさすがにアメリカだなと感じました。
その後はエレベーターで展望デッキに。その日の観客はそれほど多くはなく、三脚とカメラをセットし始めると警備員の1人が撮影を制止、先ほどサインした紙を見せてもダメでした。しかし身振りをまじえて粘ると見て見ぬ振りをしてくれることとなり何枚か撮影。
その時に撮影した写真には911で崩壊してしまったWTCも写っています。
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