オリジナルカレンダー「新潟原風景」に使用した写真を中心に掲載しています。

2007年7月16日の地震

2025.03.03
その日は月曜日で海の日の祝日、自宅でのんびりと過ごしていた人が多いだろう。私もくつろいでいたところ午前10時過ぎにかなりの揺れがあり、余震と本震の区別もつかないので、たった今の身の安全のためにもまずは情報が欲しい。揺れの程度からこの地震は近い場所に起きた地震だと思いすぐにテレビを付け確認。自宅で地震による揺れがあった時にはリビングのペンダントライトが揺れていないか見ることにしているがランプを見るまでもない。先の中越地震の時には取材に出かけ私の郷里も大きな被害を受けていた。今度は柏崎付近が震源、前回からまだ3年も経っていない。詳細情報は車の中で得ることとしてカメラを積んで約5分後には柏崎に向かった。

高速道路は避けて、海岸沿いを走り椎谷まできたところで、岬の崖が崩れていたため内陸へ。通れない道を迂回しながら刈羽の原子力発電所近くまで来たところで、家の一階部分が崩れ、重機で救助活動をしている場所があった。家を出てからここまで約2時間が経過していた。家は古い木造二階建て家屋で、座敷の1階でこたつに入っていた高齢女性の救助活動が始まっていた。近くの建設関係の重機で屋根を壊し、レスキューの数人が到着し私が着いた40分ほど経ったところで女性が救出された。その様子を撮影したカットを地元の新聞社に提供する申し出をしたが、自社カメラマンが撮影しているという理由で断られ、朝日新聞本社に連絡する。ただし写真の通信手段を持っていなかったために、夜自宅に戻ってからの送信になり翌朝のトップではなく、第二版掲載ということに。

女性が救助されホッとしたのも束の間、その後柏崎の中心部に向かい被災地を撮影。市役所の災害対策本部の中の様子も収めた。本部には地元国会議員なども集まり、安倍晋三首相も18時前に到着。避難場所の体育館などに慰問。またその頃までには新聞雑誌や海外の通信社やテレビ各局の中継車など多くの報道陣が駆けつけていた。

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photographer

photographer 魚沼市出身。広告写真撮影のかたわら約30余年にわたり新潟県内の風景を撮影。様々な媒体に発表。写真展多数。他に演奏会企画·主催など活動は多岐にわたる。 (公益社団法人)日本広告写真家協会会員。

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