八海山は稜線の岩場が特徴。うっすらと霧のかかった冬の朝、稜線の八つ峰から太陽が昇る位置を探しながら撮影。ちょうどよい位置から朝日が現れた。いつも感じることだが太陽が現れる瞬間は唐突で、その後は急上昇し時間が早回り空回りしているような錯覚がある。それは、撮影でこの瞬間を捉えようと待つ時間、そして昇った瞬間からの忙しさの差が時間のズレを生み出すためだと思う。時計の針は一定のリズムだが便宜的時間、それぞれの感じ方の違いが本当の時間だと思う。「時間を大切に」と云う時間と「時間を守る」の時間は根本的に違う意味で、いずれも絶対時間ではなく人が作り出した時間だ。この日は日の出の時間も場所も自分で決めた。
EOS1N
©️photo by Nakamura Osamu