風景を撮影するときには、できるだけ通ったことのない道を探すことにしている。観光用の写真ではないので、観光客が行かないだろうという場所がほとんどだ。時には藪をこぎ、川や沼に入り、岩の上に立ち撮影することもよくある。したがって世の中の効率や歩留まりの世界とは縁遠い。河岸段丘上のこの場所も同じように見つけた場所だった。建物もなく越後三山と信濃川の蛇行している様子を見ることができる。しばしば霧も発生し、特に朝日の昇る時間帯がおすすめの場所。1980年代に初めてここに立って撮影した。はるか甲武信ヶ岳に発した信濃川がようやく平野部に流れ出る直前の地形の変化に富んだ地域の中の白眉だ。
EOS-1DsMarkⅢ 60mm 1/8秒 f:11
©️photo by Nakamura Osamu